税制改正大綱2021-教育資金の一括贈与-
税制改正2021教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置
そもそも扶養義務者相互間における生活費や教育費は、一括贈与ではなく必要な都度、贈与の場合は、贈与税は非課税です。
◎贈与者が死亡した時点において、教育資金として使っていない残高がある場合、その残高は、相続等により取得したものとみなす。つまり、相続財産に含まれ、相続税の課税対象になります。また、受け取った方が孫・ひ孫の場合、相続税額の2割加算が適用されます。
令和3年4月1日以後に支払われる教育資金について適用予定。
教育資金の一括贈与のおさらい。
30歳未満の方(受贈者)が、教育資金に充てるため、金融機関等との一定の契約に基づき、受贈者の父母や祖父母など(直系尊属、贈与者)から、
①信託受益権を取得した場合
②書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合、
③書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等で有価証券を購入した場合
1,500万円までの金額に相当する部分の価額については、取扱金融機関の営業所等を経由して教育資金非課税申告書を提出することにより、受贈者の贈与税が非課税となります。
・教育資金口座に係る契約が終了した場合
終了時点において、教育資金として使っていない残高がある場合には、その残高の贈与があったこととされます。つまり、贈与財産として、贈与税の課税対象になります。
・贈与者が死亡した場合
贈与者が死亡した時点において、教育資金として使っていない残高がある場合で、贈与者死亡前3年以内の贈与に係る残高について、相続等により取得したものとみなし、相続税の課税対象になります。
◎今回の改正で、贈与者死亡前3年以内の贈与だけでなく、残高があれば相続税の課税対象になります。
ただし、次のいずれかに該当する場合は、相続税の課税対象になりません。
①23歳未満である場合
②学校等に在学している場合
③教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合
緊急の相続税対策として利用されることもあり、改正がされてきた部分ではありますが、さらに相続税の課税対象者を増やすという流れですね。
贈与した時点での適用開始になるので、実際に相続が発生したときに、いつ時点の贈与だったのかを必ず確認する必要があります。それによって、相続財産に含めるのか、2割加算が必要なのか、変わってきてしまいますので。