個人事業者の事業用資産に係る事業承継時の負担軽減
経済産業省 税制改正要望
http://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2017/index.html
・現行税制
会社経営者が亡くなった場合には、非上場株式等についての相続税の納税猶予として、相続税評価額の80%に対応する相続税額が納税猶予されます。
一方、個人事業主が亡くなった場合には、小規模宅地等の特例として、事業用宅地等の相続税評価額の80%が減額される制度が設けられています。こちらは、「納税猶予」ではなく、評価額が減額されるので、納税額自体が少なくなります。限度面積が400㎡までや事業を継続するなどの適用要件がありますが、積極的に活用すべき制度です。
会社経営者側の非上場株式等については、贈与・相続共に積極的に納税猶予制度が整備されてきていますが、個人事業主に関しては、「事業用の土地」を対象にした制度ぐらいしかなく、事業用宅地以外の建物や商品、売掛金、機械装置など事業用資産については、相続税評価額で計算されることになります。
また、贈与について、非上場株式等については、納税猶予が存在しますが、個人事業主の事業承継については、特に設けられていません。
個人事業主の事業承継は、不動産に関しては、親子間で「使用貸借」をし、そのほかの事業用資産と負債はに関しては、贈与又は時価で売買するケースが一般的です。この際、不動産以外の事業用資産と負債が大きい場合には、相続時精算課税を適用する方法も考えられますが、暦年贈与が出来なくなってしまうデメリットなどが存在します。
・税制改正要望
平成27年度税制改正から要望はしているものの具体的な施策までには至っていない状況です。あまり、個人事業主の事業承継の相続税負担額を軽減してしまうと事業を営まない相続との間で公平性が保てないという話の展開から制度が新しく出来る制度は、「納税猶予」ということになってきそうです。
「課税の公平性」という事が良く言われますが、農業については、納税猶予の特例→免除の流れになるなど、政策的な流れでそんなものは、関係ないと言わんばかりです。でも、都合の悪い時だけ出てくるのが、「課税の公平性」です。税制はシンプルになった方が「課税の公平性」を保てるし、税理士に余計な手数料払わなくて済む。その方が良いね。
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