教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置の拡充

金融庁税制改正要望
http://www.fsa.go.jp/news/28/sonota/20160831-3.html
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・現行税制
平成31年3月31日までの間に、金融機関等との一定の契約に基づき、父母や祖父母などから教育資金の贈与を受けた場合には、その教育資金のうち1,500万円まで贈与税が非課税となるものです。
贈与を受けた子や孫が30歳に達したときにその残額がある場合には、贈与税が課されることになります。しかし、贈与者が教育資金の適用を受けた者が30歳になる前に亡くなった場合は、「相続税」の相続財産に含まれません。同じような非課税制度の結婚・子育て資金の一括贈与は、亡くなった日までに使われていない分について「相続税」の相続財産に含まれます。
また、通常、亡くなった日前3年以内にもらった財産は、「相続税」の相続財産に含まれるのが原則ですが、教育資金の一括贈与分は、含まれません。つまり、亡くなる直前に贈与をして、その分の相続財産を減らすことが可能です。相続税対策は長期的に実施していかないとなかなか成果が出てこないのですが、直前でどうにかしたいという時に、一部で使われることもあります。
教育資金の一括贈与の制度の前でも、もともと教育資金の贈与は、非課税です。この制度が出来る前は、「その都度」、「必要な金額」を贈与することが条件でしたが、「一括」して贈与できるようになったという違いです。

・税制改正要望
教育資金の一括贈与は、父母や祖父母など直系尊属から贈与を受けた場合に適用できる制度です。この教育資金の一括贈与できる対象範囲を貧困状況にある子供にも贈与できるようになります。

教育資金の一括贈与をすることができる対象範囲が広がる、家族内だけでなく、財産の一部を社会に還元することは良いことだと思います。むしろ、今回広がる対象者の贈与だけを非課税にする方向が良いのではないでしょうか。そもそも、子や孫への贈与は都度、必要な額であれば非課税です。わざわざ、自由に使えるお金を教育に関する資金だけにしか使えない様にし、30歳に達するまでに目的の通りに使えなかったら贈与税がかかってしまいます。お金を使って経済を動かせ的な発言をしているのに、金融機関等に信託した財産は、ちゃんと世の中をまわすように有用に運用されるのでしょうか。それこそ、預金などと一緒だと思います。ただ相続税対策として存在するかのような制度な気がするのは、気のせいでしょうか。