vPQ(変動費)とF(固定費)

P売上単価、Q売上数量は、イメージが付きやすいと思いますが、vPQ変動費、F固定費とは、いったいなんでしょうか。
変動費は、売上個数に直接比例して動く費用で、代表的なものは、原材料費。
固定費は、全部の費用から変動費を引いた費用で、すなわち売上に連動しない費用。代表的なものは、給料。

損益計算書は、変動費・固定費という分け方をしていません。これを組み替える必要があります。組み替えをした損益計算書を一般的には変動損益計算書と呼ばれています。
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変動損益計算書を作ったところで表だけを見ていても結局、劇的に何かが見えてくるようになる訳ではありませんが、少なくとも、会社を経営していくためには、売り上げが0円でも毎月900千円の費用が発生し、毎月900千円を賄う売上がいくら必要なのかが見えてきます。
mP(付加価値率)は、1,200/2,000=0.6です。
mPQ=Fになるには、PQ=900/0.6、1,500千円の売り上げがあれば損失も利益もない状態です。これを損益分岐点売上と言います。

では、変動費と固定費をどうやって分けるのでしょうか。基本的には、勘定科目の括りで変動費に該当するか固定費に該当するか判断します。
私の経験ですが、新卒で入社して間もなかった頃、この変動費と固定費の分解をする仕事を任されました。当時よくわかっていなかったので、勘定科目の括りではなく、取引先・仕訳単位で変動費と固定費を分けるということをし、とんでもなく膨大な時間を無駄にしたのを覚えています。勘定科目という括りでは、中には変動費と固定費の両方が含まれていたり、ある程度は、売り上げに比例するけど、途中から連動しなくなったりということもあります。だからといって、一つ一つ全部見ていくのは私が経験したように無駄で終わってしまう可能性があります。そういう時は、大体どっちよりかで決めます。そこに時間をかけることに意味があるならばやるべきですが、大概は徒労に終わると思います。変動費と固定費の両方が含まれている勘定科目は、もう1つ勘定科目を作ってしまうのも手です。勘定科目の名称・追加はいくらでもして構いません。勘定科目は、科目名を見た時にどんな内容かわかれば良いのです。名称にルールは、1つ。中身がどんなものかわかるように名称を付けるということだけです。

変動損益計算書は、一から作る必要はありません。既存のデータを流用しつつ、なるべく時間をかけずに一度、作ってみると新たな発見があるかもしれません。