売掛金と電子記録債権
日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXKASGD24H2V_U6A820C1NN7000/
下請けの中小企業が持つ売掛金を電子債権にして早期に現金にするサービス。
売掛金は、商品を引き渡し後、入金されるまでの掛けの状態であり、商品を引き渡してから60日~90日くらいは手元にお金がまだ入ってこないために商売が順調でも資金繰りが悪化する要因になります。期日前に現金化するためには、ファクタリングや受け取った手形を割り引きなどします。本来は60日~90日後に手にする現金を早期に回収するために元本から利息分が引かれて入金されます。今回のこのサービスを利用すると、低金利下の恩恵を中小企業にも波及させることが出来る仕組みということで、元本から引かれる利息分が安くなるということです。
電子債権は、手形・指名債権(売掛債権等)の問題点を克服した金銭債権で、全国銀行協会が運営する電子債権取引システム「でんさいネット」が2013年2月の利用開始してはいるものの、取引先が対応していないためなど、なかなか普及していない状況です。
そもそもとして、取引の慣習なのか、大企業と中小企業のパワーバランスなのか、商品を引き渡しているにも関わらず、お金の入金が2ヶ月も3ヶ月も待たなければいけないということが問題で、貸倒れの危険性も高まります。代金回収の条件を見直すことで、売掛金の回収が早くなれば資金繰りが安定し、余計な金融コスト(利息分)を支払う必要がなくなります。わかっているけれど…。という所ではあると思いますが。
消費税の増税をきっかけに最近、下請法の監視が強まっている状況です。不当に代金の支払い遅延されていることもあるかもしれません。一度、代金回収条件を見直してみてはいかがでしょうか。
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO06579980X20C16A8TCJ000/
売掛金回転期間は、期末に残っている売掛金が何日分の売上高に相当するかの目安として用いられる指標で、「代金の回収が少し遅い」・「債権が膨らんでいる」という見当がつきます。
2010年のときは、売掛金回転期間が87日だったのに、2014年が181日、2015年が161日と代金の回収が長期化していることがわかります。このようなデータだと、代金回収条件が悪くなったというよりも粉飾決算しているという疑いの方が大きくなります。架空取引で売り上げを増加させるとお金が入ってこないので、売掛金(売上債権)なども増加させないと左右(貸借)が合わなくなってしまいます。架空取引であれば、お金が入ってこないのでずっと売掛金として残高が残ってしまうことになり、売掛金回転期間の数値が悪くなります。「売掛金」だけを見る、「売上高」だけを見ていると、大事なことを見落としてしまうのでこのような指標を参考にすることになります。取引先ごとの代金回収条件がほぼ同じでしたら、売掛金回転期間と代金回収条件の日数は近い数値になりますので、異常値が出た場合には、代金の遅延、記帳ミスなどが考えられます。
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