【消費税】【インボイス】簡易課税制度であれば、買う立場で気を付けることはない
実際の仕入(購入など)に係る消費税額から仕入税額控除を計算する方法を原則、本則課税と言います。
仕入税額控除の計算には、もう一つ、簡易課税制度(方式)があります。
この方法を選択できる場合、自分の売上金額に基づいて、仕入税額控除を計算するため、購入先が何処であろうと、消費税の確定申告(計算)では、関係なくなります。
簡易課税制度は、仕入税額控除の金額を自分の売上金額×みなし仕入れ率で計算します。「みなし」なので、実際の購入時に支払った消費税とは、関係なくなります。
あくまで、業種別に決まっている率を乗じるだけです。
簡易課税制度は、売上規模が小さい事業者が該当します。目安は、2年前(前々事業年度)の売上金額が5000万円以下です。
ただし、実際に支払った消費税額よりもみなしで計算した消費税額が少ない場合もあります。
しかし、簡易課税制度を選択(税務署に届出を提出)している場合、実際に支払った消費税額の方が多いからといって、そっちを選ぶことはできません。簡易課税制度で計算した仕入税額控除額になります。
逆に多い場合もあります。益税です。
例えば、A事業者は、B事業者から預かった消費税10万円からC事業者に支払った消費税8万円の差額2万円とする確定申告を国にして、2万円を納付します。これが原則、簡易課税制度を選択しなかった場合です。
簡易課税制度を選択した場合、A事業者は、確定申告のときにB事業者から預かった消費税10万円にみなし仕入率90%を乗じて、仕入税額控除9万円と計算します。それをB事業者から預かった消費税額から控除し、1万円を国に納付します。
A事業者は、本来、国に2万円消費税を納付しなければならないところ、簡易課税制度を選択したことにより1万円の納付で済んだので、1万円の益が発生します。これが益税です。
購入先(相手先)が免税事業者など、適格請求書発行事業者でない場合、さらに納税額に差がでます。
原則(本則課税)では、適格請求書発行事業者からの請求書(領収書など)ではない場合、仕入税額控除の適用を受けることが出来ません。
したがって、免税事業者から購入した場合、仕入税額控除は、0です。
つまり、B事業者から預かった消費税10万円すべて国に納付します。
一方、簡易課税制度の場合、仕入先(相手先)が何処であろうと、関係ないので、B事業者から預かった消費税10万円にみなし仕入率を乗じて計算した結果、1万円を国に納付します。
適格請求書発行事業者から購入しても免税事業者から購入しても、納付額は、同じです。
本則課税と比べて、納税額が多くなったり、少なくなったりしますが、購入先(相手先)を気にしなくても良いというメリットが生まれます。
国税庁:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/aramashi/pdf/010.pdf
コメントを投稿するにはログインしてください。