「消費税」【インボイス】ざっくり適格請求書(インボイス)制度で変わる納税額

 適格請求書等保存方式、インボイス制度が始まると仕入税額控除は、どう変わるのか?

 適格請求書発行事業者から発行された請求書、領収書などがないと、仕入税額控除を受けることができなくなります。

 仕入税額控除を受けることが出来なくなると、今まで、売上に係る消費税10万円から仕入に係る消費税(仕入税額控除)8万円の差額、2万円を国に納付すれば良かったのに、売上に係る消費税10万円を納付しなければならなくなります。

 

 仕入税額控除を受けるためには、商品の仕入(購入)をする「相手」が、「適格請求書発行事業者」である必要があります。

 「自分」が適格請求書発行事業者であっても、「相手」が適格請求書発行事業者でなければ、仕入税額控除を受けることが出来ません。

 つまり、「自分」が適格請求書発行事業者にならなかった場合、自分でなく取引先など「相手」の納税額に影響してしまうことになります。

 事業が消費者に商品やサービスを提供する場合、適格請求書発行事業者にならなくても良いかも知れませんが、例えば、飲食店の場合、接待等で事業者が利用する場合、影響がでてきてしまいます。

 適格請求書発行事業者には、事業者が税務署に申請、登録することでなれます。

 ただし、免税事業者のまま、適格請求書発行事業者にはなれません。適格請求書発行事業者の申請、登録をすると免税事業者は、課税事業者になります。

 通常、事業を営むもの(事業者)は、消費税の確定申告をし、消費税を納める義務があります。

 しかし、法律では、消費税を納める義務がある事業者(課税事業者)のほかに消費税を納める義務がない事業者(免税事業者)がいます。

 免税事業者は、主に売上規模が小さい事業者が該当します。目安は、2年前(前々事業年度)の売上金額が1000万円以下です。

 なので、事業を始めたばかりの事業者は、2年前の売上実績がないので、ほとんどが免税事業者に該当します。

 令和5年10月1日からは、適格請求書発行事業者(課税事業者)から商品を仕入れる場合と、免税事業者から商品を仕入れる場合で、消費税の納税額が変わる状況が生まれてしまうことになります。

 適格請求書発行事業者であっても、登録番号の記載がないなど、要件を満たしていない請求書は、免税事業者が発行する請求書と同じ扱いになり、仕入税額控除を受けることができません。

 事業者は、商品やサービスを提供するなど売る立場と商品やサービスなどを買う立場、それぞれ持ち合わせています。

 なので、売る立場で考えなければいけないこと、買う立場で考えなければいけないことがごっちゃになってしまい、わからなくなってしまうことがあります。

 適格請求書発行事業者は、売る立場の事業者です。仕入税額控除の適用を受けるのは、買う立場の事業者です。

 国税庁:
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/300416.pdf