損益分岐点を使いこなす① 変動費と固定費

財務会計は、法律に従って、「他人に公表をするため」に作成する会計。

管理会計は、「自社で利用・活用するため」に使う会計。

今回は、損益分岐点を使いこなせるようになって、自社の戦略に活用できるようになろう、です。

変動費と固定費が中心です。

損益分岐点とは、その事業の収益(売上)と費用がトントン、利益も損失もゼロになる点、です。

損益分岐点は、商品をいくら売れば、利益がでるのかを計算、予測(計画)するために使います。

初っ端から専門用語だらけですが、これらの用語が何なのかわかって、使いこなせるようになれば、管理会計をほぼマスターしたようなもんです、たぶん。

財務会計の損益計算書。

利益がでるということは、収益>費用(収益よりも費用が大きい)ということです。

商品がもう10個、売れたときの利益はどうなるのか?

と、考えたときに、この損益計算書だけでは、答えを出すことができません。

「収益」と「費用」について、もうすこし違った見方をする必要があります。

費用と一言に言っても、大きく2つの性質に分けることができます。

それが、「変動費」と「固定費」という分け方です。

変動費は、売上量に比例して動く費用です。

製造業であれば、材料費が代表的なものになります。

飲食業であれば、食材費です。

この変動費以下で売れば、売れば売るほど損することになるので、通常これ以下で売ることは考えられない費用です。

一方、固定費は、売上量に比例しない費用です。

つまり、売上がゼロであっても発生する費用です。

代表的なのは、給料、家賃になります。

固定費分を回収しない限り赤字となるので、いかにこの固定費を回収するかがポイントになります。

そこで戦略を立てるためには、まず回収すべき固定費がいくらなのかをつかむ必要があります。

費用を変動費と固定費に分けることを固変分解なんて言ったりしますが、覚える必要はないです。

固定費がいくらなのか把握するには、全体の費用から変動費を引いても固定費がわかります。

さきほど、商品がもう10個、売れたときの利益は、どうなるのか?ということでしたが、

ちょっと、実務的なお話です。

この変動費と固定費に分ける作業、ポイントは、細かくやりすぎないことです。

細かくやりすぎると、分けるだけで満足してしまいますし、時間の無駄が大きくなります。

細かくやろうとすると、変動費と固定費の分類ができずに躓くことがあります。

なぜか?例えば、電気料金は、毎月一定額発生する基本料分と、実際の電気使用量に応じて料金が発生する分があります。

このような電気料金など固定費の性質と変動費の性質を持つ費用を準変動費と準固定費とか呼ばれます。

これを細かくやろうとすると仕訳の段階でわける、とか、変動損益計算書の作成段階で、分けようみたいなことになります。

そこは、自社の重要度で割り振るべきです。大したインパクトもないところで分ける作業と時間は無駄です。

自社では、固定費って決めて運用するってざっくり決めて良いです。実態と違ったら、変えれば良いだけでの話です。