給与所得控除と特定支出控除
所得(儲け)の計算式は、基本的には、
収入-経費=所得
です。
自営業者なら売上から経費を差し引きして計算をしますが、サラリーマンやパート、アルバイトなど給料をもらう人が自分で経費を集計しているなんてことはありませんよね。自営業者などの経費にあたる部分が給与所得控除と特定支出控除です。給与所得控除は、自営業者のように実際にかかった経費ではなく、「概算経費」になります。特定支出控除は、「概算経費」ではなく自営業者と同じように実際にかかった経費を集計して収入から一定の金額を差し引きます。給料をもらっている人が収入から引くことができる経費が、給与所得控除のほかに「特定支出控除」という制度があると知っている人はほとんどいません。仮に知っていたとしても酷く適用しづらい制度でほぼ利用することはありません。
給与所得控除額は、給与等の収入金額に応じて、次のようになります。
所得税の税率も高収入の人ほど税率が高くなる累進課税ですが、給与所得控除も同様に給料の金額が大きくなればなるほど、給与所得控除額が少なくなります。年々と「給与だけ」で高収入の人は、所得税の負担が大きくなってきています。あまり良くない所得格差是正のやり方に思います。そもそも、富裕層の方々は、お金をそのまま銀行に預けておくということはせずに株式投資などで運用しているのが一般的です。株式の配当金や売却益に関しては、累進課税になっておらず、約20%の税率で済んでしまいます。給料で稼ぐより資産運用で稼ぐ方が税金の納付は少なくて済みます。話が脱線してしまいましたが、給料をもらっている人は、この給与所得控除があるので、いちいち経費を集計しなくても会社がしてくれる年末調整によって、確定申告を終えることができるようになっています。
残念ながら、知っていてもほぼ使い道のない残念な制度です。
給与所得者が次の特定支出をした場合、その年の特定支出の額の合計額が、「特定支出控除額の適用判定の基準となる金額」(給与所得控除額の1/2)を超えるときは、「確定申告」によりその超える部分の金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができます。
特定支出(会社が証明してくれた経費に限る)
・図書費、衣服費、交際費(勤務必要経費)
・資格取得費
・帰宅旅費(単身赴任などしている人)
・研修費
・転居費
・通勤費
年収金額300万円の場合、54万円を超える(給与所得控除の1/2)特定支出がなければいけないし、これらの支出が「職務上」必要とされているもので、会社にお伺いをたてなければいけません。現状は、対象者がほぼいないですが、税制は変わります。使える制度になったときに知らなかったじゃもったいないです。特に給与所得者は、意識しないと税金の情報を得る機会は少ないと思います。もしかしたら対象になるかもしれないので、頭の片隅にでも入れておいても良いかもしれません。
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