なぜ、確定申告をするのか?【所得税】

2月も中旬、確定申告が本格化してくる今日この頃。

個人も、法人も、なぜ、確定申告をするのか?

税金が還付されるから?確定申告をして、税務上の特典を受けたいから?
自分で申告して、そのうえ、納税。税金払いたくない。

所得税の確定申告とは、1月1日~12月31日までの1年の所得(利益)を集計し、それを基に納める税金を計算して、翌年の2月16日~3月15日までの間に税務署に納税額を報告することです。

申告納税制度で義務だから・・・、そう言ってしまえば、それでおしまいなのですが、やる気には全くならないですね。

私自身、なぜかと問われれば、「国民の義務です。」って答えてしまうでしょう。

時期も時期なので、なぜ、確定申告をするのか?「義務」よりも、マシな答えを考えてみようと思います。

・・・、自分が成長するための確定申告。

①現状把握、自分を知るため

②適切に自ら申告することが、一番の節税になる

③時間とお金

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①現状把握、自分を知るため

なぜ、家計簿をつけるのでしょうか?
それは、家計を見直して無駄な出費や支出を減らしたい、貯蓄したいから。
毎月、お給料が入ってくるのが前提であり、他の収入がない場合、家計簿の目的は、出費や支出というお金が出ていくことを把握することが重要です。

なぜ、会社は月次決算をするのでしょうか?
月次決算とは、毎月、会社の収入と経費、お金の流れを把握するために帳簿をつけ、会社の状況をいち早くつかむことです。
それは、資金繰りのため、今後の会社の方向性を考えるため。
会社の場合は、支出だけではなく、収入(売上)を把握することも重要になります。手元にお金が残らなければ、なぜ、お金が残らないのか、月次決算で現状を知り、収入を増やすためにどうすれば良いのか?支出を減らすには?支出を増やしても収入が見込める投資は?など対策、戦略を打ち出していくことになります。

家計も会社も、お金が回らなくなったら、おしまいです。

所得税の確定申告は、家計簿・月次決算の延長上にあるのではないでしょうか。
日々の活動を記録した結果を毎月まとめること、1年が終わって、あとから帳簿を作成するものではありません。

個人が確定申告をするという事は、「数字」を使って、今の自分を知ることです。その結果を税務署に報告し、税金を納める。つまり、確定申告は、自分を知り、成長するためのツールです。どうやって、「数字」を集計すれば良いのかというルールを作ってくれています。

あるとき、平凡なサラリーマンは、気付きます。給料、増えない。使えるお金、増えない。出費ばかり抑える生活に嫌気がさしてくる。家計簿付けたって、収入は増えない。給料ばかりが収入じゃない、投資、副業だってやれば・・・、どうやってお金を稼ぐことが出来るだろうか。
収入を得る道を探す人。文句ばかりを言って、現状を変えない人。
収入を得る道を探す人も、給料をもらうという事が大変なことだとわかっているのに、株など投資では、なぜか安易に儲かると思い、一瞬で給料を吹き飛ばし、退場。(私は、H16に株式投資でマイナス40万で、一発退場という歴史がありますw)
しかし、現状を打開するために、株や副業などを選び行動することは、必要なことだと思います。失敗したとしても。
もう一歩、歩を進める。そこで、終わるのではなく、なぜ、失敗したのか、なぜ、ダメだったのかを考える。そのためには、自分と向き合う必要があります。そのために、収入と経費(支出)を「数字」でしっかり受け止めることが大事です。

副業だから、大体で良い?そんなことは、ありません。副業だって、立派な事業です。そこから、収入を得る経済活動を行っていれば、規模の大小は関係ありません。

「数字」を受け止め、どうするか。自分の収入、支出の予算(目標)ができて、その予算(目標)を達成するために対策、計画を立てる。

会社だけが特別に収入や経費の帳簿つける訳ではありません。
むしろ、個人で帳簿をつけることは、色々な事を知る良いきっかけにもなります。
面倒だから・・・、たぶん税金かからないだろう、という予測。本当にそうでしょうか。そうだったとしても、自分の足跡を振り返らないのは、振り返れないのは、もったいないと感じます。

なぜ、確定申告をするのか。現状を知り、自分が成長するためです。

②適切に自ら申告することが、一番の節税になる

収入(売上)から経費(支出)を引いた金額が所得(利益)です。
1年前、自分が何にお金を使ったか、覚えているだろうか。私は、ひと月前ですら、怪しい。
1年経った後に、まとめようとしても、経費がもっとあったような、なかったような。
そうすると、収入から引くことが出来る経費が減り、所得が増える。
税金は所得に税率をかけて計算する。
「適切に」お金の流れを記録しなかったことによって、支払う税金が増えてしまう。
ましてや、収入の集計も怪しいとなると、あとから税務署の調査やお尋ねがあったときに、後からとられる負担感。そして、本来、納める税金にプラスして、ペナルティ(罰金)を払わなければいけなくなります。税務署は、所得が増えたときにやってくる!?
結果、「適切に」自ら確定申告することが、一番の節税になります。場合によっては、税務上の特典もでてくる、銀行の信用もついてくると、金利も安くなる。

③時間とお金

人生は、時間とお金の制約が大きいと思います。
時間は、有限で増やすことは出来ません。一方、お金は増やすことが出来ます。

お金と時間について、移動手段の話しがあります。

ある目的地にたどり着くために、徒歩、自転車、電車、車、新幹線、飛行機など様々な移動手段があります。

お金持ちは、飛行機で1時間もかからずに目的地に到着することが出来ます。
お金を持っていない人は、徒歩で何日もかかって目的地に到着します。

人生には、徒歩で行くことの楽しさや経験もあると思います。
しかし、有限で増やすことが出来ない時間を、お金を持っていることによって、お金を持っていない人よりも有効に使うことができる選択肢を持つことができます。

もっと言えば、コンビニでお茶が125円、ちょっと先にあるスーパーで90円。
コンビニで買う人が多いですよね。この差が時間の価値です。

毎月、1年、という単位で、お金の流れを記録することで、収入から経費を引いた所得(利益)を数字で把握することができます。
ここに、「時間」という要素を加えることによって、「時給」が見えてきます。
目の前の入ってくるお金、出ていくお金、見えているお金だけを追ってしまうと、本当の価値が見えなくなってしまいます。
有限で増やすことができない大切な「時間」を金額という数字に置き換えることで、価値を見つける、1つのきっかけになります。

あなたの「時給」は、いくらでしょうか。高いでしょうか?安いでしょうか?
仕事から得られるお金。友人、恋人、家族と過ごす時間、趣味の時間、寝る時間・・・。
有限である時間を使って、自分に見合ったお金を稼ぐにはどうすれば良いでしょうか。

自分の時間が見えてくると、相手の時間も見えてくるきっかけにもなります。
家族・友人・仲間に手伝ってもらった、かけつけてくれた、費やしてくれた時間。
偉そうなこと綴ってますが、相手の時間の大切さに気付けずに、時間泥棒と言われたことは、自分の心にグサッと刺さったままw
相手の大切な時間と自分の時間。

なぜ、確定申告をするのか?
時間とお金の大切さを学び、忘れない様にするため。

やはり、自分のためってことです。