遺留分侵害額請求権

遺留分侵害額の請求調停:https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/lkazi_07_26/index.html

 遺留分とは、一定の相続人(遺留分権利者)について,被相続人(亡くなった方)の財産から法律上取得することが保障されている最低限の取り分のこと。

 遺言書により、○○に全財産を相続させる、という場合、○○の他に××という相続人がいるとき、××が○○に対して、金銭を請求することができる権利のことを遺留分侵害額請求権と呼びます。

 改正前は、遺留分減殺請求権と呼ばれていました。

〇〇と××の子2人が相続人の場合、××の遺留分は、
 1/2(遺留分率)×1/2(法定相続分)=1/4

例えば、遺留分を算定するための財産の総額が1億円の場合、××の遺留分は、
 1億円×1/4=2500万円が、ざっくりとした計算になります。

遺留分を算定するための財産の総額とは、
①相続開始時点の財産(資産-負債)
②相続人に対する生前贈与(相続開始前10年)
③相続人以外に対する生前贈与(相続開始前1年)

※当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与した分については、相続開始前10年超でも遺留分を算定するための財産の総額に含める。

 年数縛りがあったとしても、生前贈与については、遺留分を算定するための財産の総額に含まれてしまうかなぁという印象。

 遺留分の額を減らす方法はないかと考えてましたが、なかなか難しそうですね。

————–
(遺留分の帰属及びその割合)
第千四十二条 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第一項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。
一 直系尊属のみが相続人である場合 三分の一
二 前号に掲げる場合以外の場合 二分の一
2 相続人が数人ある場合には、前項各号に定める割合は、これらに第九百条及び第九百一条の規定により算定したその各自の相続分を乗じた割合とする。
(遺留分を算定するための財産の価額)
第千四十三条 遺留分を算定するための財産の価額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除した額とする。

2 条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って、その価格を定める。
 
第千四十四条 贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にしたものについても、同様とする。
2 第九百四条の規定は、前項に規定する贈与の価額について準用する。
3 相続人に対する贈与についての第一項の規定の適用については、同項中「一年」とあるのは「十年」と、「価額」とあるのは「価額(婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与の価額に限る。)」とする。

—————