セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)【税制改正大綱:所得税】
平成28年度税制改正(去年)で決まった、セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)が来年、平成29年からスタートします。
既存の医療費控除は、治療の目的のために、かかった医療費が対象です。
それに対して、セルフメディケーション税制は、
・「予防、健康の維持促進」を行っている個人を対象(対象者を限定)
・OTC医薬品の購入にかかった費用が対象
・既存の医療費控除との選択適用
OTC医薬品とは、要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品です。
全然、イメージがわきません。
平成28年10月17日時点の対象品目一覧です。(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000139974.pdf
既存の医療費控除とセルフメディケーション税制のどちらが有利になるかは、ケースによって、異なるのは、もちろんですが、これまで、既存の医療費控除は、目安として、医療費の合計額が10万円超えないと対象になりませんでした。
しかし、セルフメディケーション税制の場合については、対象となるOTC医薬品の購入にかかった費用が12,000円を超えれば、適用対象の可能性があり、所得控除を受けることができる対象者が広がりました。
ここまでは、去年の税制改正の内容です。
今年の税制改正により、セルフメディケーション税制の適用を受ける場合には、領収書を確定申告書に添付するだけではなく、「医療費の明細書や医薬品購入費の明細書」も一緒に確定申告書に添付しなければならないこととなりました。
なので、今までの医療費控除と同じように、領収書だけ残しておいても、セルフメディケーション税制を受けられません。
既存の医療費控除とどちらか有利な方を選択するという事であれば、領収書だけでなく、明細書も無くさない様に保管しておかなくてはなりません。
来年1月1日からスタートするのに、ほとんどの方は、知らないので、捨てちゃいますよね。
そういったこともあり、経過措置があります。
平成29年~平成31年分の確定申告では、領収書だけでも適用を受けることができます。
なので、今回の改正の正式な運用は、平成32年分の確定申告になるので、実は、まだまだ、心配する必要のない改正内容でした。
但し、セルフメディケーション税制は、「予防など」をしている人を対象にしていますので、予防接種や健康診査などをしたことがわかる書類の確定申告書への添付は必要になります。
国税庁:タックスアンサー、医療費を支払ったとき
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1120.htm