キーエンス創業家の株式贈与1500億円申告漏れ

日本経済新聞9/17
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG16HBQ_W6A910C1MM8000/

経済産業省の税制改正要望で、取引相場のない株式の評価方式に関する見直しがされています。現行税制では、取引相場のない株式の評価計算は、非常に複雑です。取得する人、会社の規模などによって評価方式が異なります。主に、類似業種比準方式、純資産価額方式、配当還元方式があります。
非上場株式については、評価額が大きくなってしまい、中小企業の事業承継が難しくなっている要因にもなっています。それは、上場株式であっても同様です。今回は、キーエンスの株式を非上場会社を通じて評価額が低くなるように株式贈与をしようとした結果なように感じます。
記事から読み取れる限りでは、通達に基づいて、原則的評価方式の類似業種比準方式を用いて評価計算をしたと考えられます。しかし、資産管理会社もその子会社も共に「株式保有特定会社」という評価会社に該当し、「類似業種比準方式」ではなく、「純資産価額方式」又は「S1+S2方式」により評価することになったのではないかと思います。非上場株式の1株当たりの純資産価額(相続税評価額)は、上場会社の株価の平均値よりも上回る可能性が大きく、特に「株式保有特定会社」や「土地保有特定評価会社」等は、更にかい離する可能性も高くなる傾向にあるので、「類似業種比準方式」を採用すると株式評価額を大幅に下がることになります。
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国税庁HP
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka/08/03.htm