非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度の見直し【税制改正大綱:相続(贈与)】
毎年のように見直しが行われる非上場株式等の納税猶予制度ですが、平成29年度税制改正大綱の内容からすると、今までの改正よりも、納税猶予制度を積極的に活用しようという流れを作るような改正にはなっていないかなという印象です。
納税猶予制度は、将来に渡って、長期間継続していくので、思いがけないリスクなどに対する見直しは、重要な部分ですし、引き続き、使いやすい制度に改正していく流れなので、今後も期待したいところです。
概要
・災害等があった場合に要件を満たせなくなる、会社が倒産等した場合の免除等。
事業が継続する場合には、要件の免除、緩和等をする。
会社が倒産等をした場合には、猶予税額の免除。など。
・雇用確保要件の計算の端数処理。
常時使用従業員数に80/100を乗じて計算すると1人未満の端数が生じる。今までは、切り上げだったけど、これからは、切り下げになります。
・相続時精算課税制度に係る贈与を、贈与税の納税猶予制度の適用対象に加える。
・相続税の納税猶予制度の認定相続承継会社の要件の緩和。
非上場株式等の贈与税の納税猶予を受けた者が死亡した場合、贈与税の納税猶予は、免除され、相続税の納税猶予へ移行する(しなくてもよい)ことになります。
この場合に、贈与の時点では、納税猶予の対象となった会社が、相続時点で、中小企業者でなくなっていた又は非上場株式等でなくなっていたときは、今までの制度だと、納税猶予を継続できませんでした。
既に、贈与税の納税猶予制度を受けている場合には、中小企業者や非上場株式等でなかったとしても、継続して、納税猶予の適用を受けることができるようになります。
適用時期:平成29年1月1日以降
経済産業省 関東経済産業局:非上場株式に係る事業承継税制
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/jigyoshokei/20100215zeisei.html