銀行法施行令等の一部を改正する政令等(仮想通貨関連法など)
金融庁:報道発表資料
http://www.fsa.go.jp/news/28/ginkou/20170324-1.html
本件の政令は、平成29年3月21日(火)に閣議決定されており、本件の政令及び本件の内閣府令等は本日公布、平成29年4月1日(土)から施行されます(一部は平成29年3月25日施行)。
今年の1月から意見を募集していたので、変更があるかと思ったのですが、去年の法案からそのままでした。
これで、正式に4月1日から仮想通貨が定義され、仮想通貨交換業者が登録制になります。現在、仮想通貨を取り扱っている方については、施行日から6ヶ月以内に登録申請し、登録がなされなかった場合、事業が継続できないことになります。
4月1日以降の設立であれば、登録してからでなければ業務を開始できなくなるのですが、3月中の駆け込みの取引所の設立なんかもあったりするようです。
仮想通貨交換業者に関する内閣府令を読むと、仮想通貨の換算については、外貨と同様の取扱いです。
(別紙19)事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係 16仮想通貨交換業者関係):Ⅱ-2-1-2-2(7)
① 仮想通貨と他の仮想通貨との交換、その媒介、取次ぎ、代理
当該交換の対象となる仮想通貨の相場(相場がない仮想通貨同士の交換を行う場合には、当該仮想通貨と交換可能な仮想通貨であって、本邦通貨又は外国通貨と交換可能なものの相場)を用いて換算する方法。
② 仮想通貨の移転
当該移転の対象となる仮想通貨の相場(相場がない仮想通貨の移転を行う場合には、当該仮想通貨と交換可能な仮想通貨であって、本邦通貨又は外国通貨と交換可能なものの相場)を用いて換算する方法
なお、上記①・②に掲げる仮想通貨の相場については、取引時点における実勢相場のほか、例えば、次のような相場が考えられる。
・ 取引日の属する月若しくは週の前月若しくは前週の末日又は当月若しくは当週の初日の相場
・ 取引日の属する月の前月又は前週の平均相場のように1月以内の一定期間における相場
Ⅱ-2-2-3-2(注)
仮想通貨交換業に係る取引を外国通貨建てで請け負った場合には、当該金銭に係る利用者財産の管理の方法については本邦通貨に換算して算出した上で、帳簿書類に記載する必要がある。本邦通貨に換算するに当たっては、利用者の金銭の額を算出する営業日における対利用者直物電信売相場と対利用者直物電信買相場の仲値によるものとする。
円と仮想通貨の交換は、出ていった円=仮想通貨の金額になるので、あまり気にする必要はない、違和感はないと思います。
括弧書きの部分、仮想通貨同士でも円換算するという事ですね。円ではなく、外国通貨でしか交換レートがわからないとちょっと複雑になりますが、為替レート仲値を使って、とくにかく円換算することになります。
ただ、1取引ごとにその時のレートという事になると大変なので、継続して行っていれば、例外を認められます。例としては、2つの方法が挙げられていますが、もっと別な方法と言うことであれば、外貨換算の通達を参照
法人
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/13_2/13_2_01.htm
所得
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shotoku/11a/01.htm
あとは、仮想通貨交換業者が扱うことが出来る仮想通貨が何か?と言うのが注目ですが、まだ、ホワイトリストは、公開されていないようです。これがいつ公開されるのでしょうか。
これによって、国内の取引所や相対取引で行われていた仮想通貨の一部は非常に流動性が悪くなる方向に進みそうです。
他にも、事業のやり方?を変えないといけないような事態になる業者もありそうです。
例えば、仮想通貨の代理店販売をしているような個人事業者は、厳しいかも知れません。
(別紙1)コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方121抜粋
利用者に対する説明、犯収法の本人確認、システム構築等、資金決済法に規定される責任を仮想通貨交換業者が全て負い、かつ、第三者委託に関する規制を全て遵守する前提で、販売の一部をフランチャイジー、代理店、エージェントなどに委託することは許容されうるか。
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仮想通貨交換業の業務の一部の委託が認められるか否かについては、仮想通貨交換業者による「名義貸し」が禁止されている(資金決済法第 63 条の7)ことを踏まえつつ、個別事例ごとに取引の実態に即して実質的に判断。
原則、「名義貸し」は禁止ということを考えれば、仮に代理店販売が可能だったとしても、相当厳しく、管理体制を整えなければならないと考えられますので、個人事業者にとっては難しいのかな。今のままのやり方は、少なくとも変えなくてはならない様に感じます。
他にもいろいろ気になる部分がありますが、来週には、施行されます。これによって、流れが変わっていくの引き続き注視していきたいと思います。
ビットコインのハードフォーク問題など、仮想通貨業界は、法律への対応、ハードフォークした場合の対応など、仮想通貨元年と呼ばれてますが、激流ですね。