仮想通貨の集計のすすめ【第19回】~計算編①~

計算方法ですが、税務署への個別の問い合わせでは、「移動平均法」又は「総平均法」で計算してくださいという回答が多いようです。
その他にも、個別法、先入先出法、最終仕入原価法なども考えられます。

明確に「移動平均法」又は「総平均法」で計算しなさいという扱いは出ていません。取扱いとして、今後、適用される可能性が高い方法として、紹介します(基本的には、実態とかけ離れてしまうようなやり方ではない限りは、様々な計算方法が認められると考えられます)。

「移動平均法」とは、購入の都度、購入金額と残高の平均により単価を計算する方法です。
 
「総平均法」とは、今年の購入金額(前年から残高の繰越がある場合は、繰越金額を含める。)の平均により単価を計算する方法です。

年末までにすべて売却した場合は、売却損益は、どのような方法で計算しても結果は同じになります。

移動平均法は、黄色いセルの部分です。購入の都度、単価を再計算しています。
・2,679円÷1,793.491=1.4939円
・(2,679円+6,431円)÷(1,793.49+4,304.38)=1.4939円
・(2,679円+6,431円+953円)÷(1,793.49+4,304.38+378.86)=1.5536円
・・・・

それに対して、総平均法は、2017年に購入した金額合計÷購入数量で単価をまとめて計算しています。
・122,345円÷33,914.6499=3.60744円

年末までにすべて売却しなかった場合、移動平均法では、利益、総平均法では、損失。という様に計算方法や売買の状況によっては、損益に大きな影響がでます。

そのため、一度、計算方法を決めた場合、毎年、同じ計算方法を選択する必要があります。
また、今回のようなケースになった場合、移動平均法は課税されますが、総平均法は課税されません。
しかし、総平均法の場合、税金を納めなくても済みますが、損失を翌年に繰り越すことができません。
来年、売却して利益が出たとしても、今年のマイナス分と合算できないので、来年は、余計に税金を納める事になってしまいます。

といように、取引所内のトレードであれば、計算方法によって損益の額が変わりますが、ここまで、きちんと整理できていれば、それほど、難しくはありません。
ここに、仮想通貨の送金や受信などが加わることによって計算が複雑になってきます。
トレードの計算はそれほど、問題にはなりません。多くの問題は、送受信の部分、取引所外にあります。
なぜなら、どこに送ったのか、どこから受取ったのか、記憶が曖昧であったりして、覚えてないことの方が多いです。
自分では、ここにしか送金していないって思っていても、実際に送信履歴を見ると違うところに送金している形跡があって(盗難にあったということではない)、それが何なのか思い出せない。受け取る場合も然り。
ここの内容を知っているのは、実際にやりとりをした自分だけです。

私が知っている訳がありません。
依頼されるにしてもそこがわからないと困るんですよ。聞いても知らないとか言われてもこっちの方がもっと知らねーよって話だし、それでなんとかなりませんかって私に言われても・・・。おっと・・・。

ホント、整理して、把握する、大事。