所得税の青色申告

所得税の青色申告をしようとする場合には、原則として、青色申告をしようとする年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。開業等の場合には、開業等から2ヶ月以内などの例外もあります。

国税庁HP:https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2070.htm

今年、所得でそうだから、青色で申告しようとしても、今からでは遅いです。事前に申請書を提出する必要があります。

青色申告のメリットは主に
・所得から65万円or10万円の青色申告特別控除
・青色事業専従者給与・・・一緒に生活をしている配偶者などの給与を必要経費にできる
・貸倒引当金・・・損失の見込み額を必要経費にできる
・損失の繰り越し

青色申告特別控除の65万円と10万円の違い

65万円控除を受ける場合には、複式簿記と呼ばれる記帳をする必要があります。
例:現金 ××× / 売上 ×××

このような、記帳方法により、帳簿を作成します。
・仕訳帳(上記、例が1年分、記載されている帳簿)
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・総勘定元帳
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この2つが主要簿と呼ばれています。

そのほか、補助簿と呼ばれる
・現金出納帳
・売上帳
・固定資産台帳
など、必要に応じて、帳簿を作成します。それを基にBS,PLを作成し、確定申告書に添付することになります。

これが、65万円控除を受けるために必要なことです。

もう一つ、上記の複式簿記を採用しなくても、簡易帳簿による記帳により、65万円控除を受けることも可能です。
その場合に必要な帳簿としては、
・現金出納帳(預金出納帳)
・売掛帳
・買掛帳
・経費帳
・固定資産台帳
・その他債権債務等記入帳
事業によって帳簿の種類は異なります。

10万円控除については、収入金額や必要経費に関する事項を記帳した帳簿を付ける必要があります。
収入金額や必要経費などは集計しなければ、申告出来ないので、必然的に作成することになります。これは、青色も白色も変わりません。10万円控除を受けれるか受けれないかは、申請書を出しているか出していないかというだけです。

帳簿を作成すると聞くと難しく感じるかも知れませんが、会計ソフトに入力してしまえば、それほど、難しくなく出来ます。

来年は、3月15日までに青色申告承認申請書を提出し、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

住宅の売却

予期せず、転勤などにより、住宅を売却することになったとき。

土地や建物を購入した際に発生した金額がわかる資料は残しているでしょうか。

土地や建物を売却するときの計算式は、
売却代金-(土地や建物の取得費+譲渡費用)=譲渡所得
です。

つまり、譲渡所得を少なくしようとするならば、購入した時の金額を把握する必要があります。

土地の取得費には、土地の購入価格に加え、登録免許税・不動産取得税・印紙税なども含めることができます。

建物の取得費には、建物の購入価格に加え、登録免許税・不動産取得税・印紙税などが含まれますが、土地と異なるところは、その購入価格等から減価償却費相当額をマイナスして、取得費を計算します。

仮に土地の取得費がわからないときは、売却代金×5%ですって回答がほとんどです。まぢで!?うそでしょっ!?っていう感じです。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3258.htm

しかし、すごい昔の土地とかだったりすると話は別で、むしろ、売却代金×5%の方が有利になります。
でも、売却代金×5%以上の価格で購入したことが明らかであるときは、やはり、おかしな話です。
しっかり、証拠資料は残しておきましょう。

http://www.kfs.go.jp/service/JP/60/19/index.html

前払費用

利益が出そうなとき、経費を増やそうと、モノを購入する。支払いをする。

お金を払えば、その時の経費になって、節税になると考える方がいらっしゃいます。

しかし、必ずしも経費になるとは、限りません。

その代表が、固定資産です。原則として、金額が10万円以上のモノで、1年以上使えるようなモノについては、耐用年数に応じて、減価償却費として、経費計上されます。

また、先に支払いをした、前払いについては、原則、経費になりません。
例えば、12月決算の場合、1月以降に開催される研修会やセミナーの費用を12月に支払いをしても、今年度の経費にはならず、翌年度の経費になります。お金の動きと経費の計上には、ズレが生じます。
そのほか、2年分の保守料を支払ったというような場合も、保守料を月割り計算をして、今年度分に対応する部分が経費になります。
但し、例外も存在します。
例えば、小規模企業共済や倒産防止共済、保険料、リース料、家賃などを年払い(1年以内)をするような場合には、1年分が、経費(又は、所得控除)として認められます。

利益が出そうだからといって、不要なモノや経費にできない前払いをして、資金繰りが悪化してしまわないように注意しましょう。

https://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5380.htm

売電収入(雑所得) 申告漏れ 所得隠し 脱税

太陽光発電ブームも一息ついてしばらくたちます。
産業用太陽光発電を始めた方は、投下した資本を回収するまでに、まだまだ長い期間あります。
事業規模で行う方は、確定申告をするという事は、十分承知しているかと思います。

一方で、住宅用太陽光発電については、新築物件については、未だに結構な割合で設置している印象です。去年の住宅ローンの確定申告の説明会でも、ローン控除と合わせて売電収入を確定申告しています。
翌年以降、どれだけの人が、確定申告をしているのでしょうか。
住宅用太陽光発電の場合、売電収入が20万円を超えないために確定申告していないという結論が大半だと思います。
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しかし、所得税の確定申告はなくとも、住民税の確定申告は必要です。忘れずに、確定申告しましょう。

エクセル

さて、ニュースなどで、「申告漏れ」、「所得隠し」、「脱税」というワードが出てきます。
例えば、11/1のyahooニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161101-00000017-mai-soci

こちらは、法人税を6,500万円を「脱税」した疑いです。
法人税の「申告漏れ」でもなく、「所得隠し」でもなく、「脱税」です。この違いは???

サラリーマンは、年末調整で会社が代わりに税務署に申告をしてくれます。なので、副業などを行っていなければ、この辺の「申告漏れ」などとは縁がないことになります。

法人や個人事業主、また、副業などにより給料とは他に収入があるサラリーマンは、自分で所得を計算し、納税をします。
この申告に誤りがあったことが、税務調査により発覚するケースがあります。
ニュースなどでは、
経費計算や見解の相違などの単純なミスによるものであれば、「申告漏れ」。
書類の改ざん、売上の隠ぺいなど、意図的な行為によって悪質と認めらる場合には、「所得隠し」。
今回のニュースのように「脱税」となるのは、故意に納税を逃れる行為であり、「所得隠し」とほぼ同様です。ニュースなどで脱税とされるのは、国税調査官による強制調査が行われ、告発された事案に使われることが多く、「所得隠し」がより悪質なときです。報道する方達が判断することなので、「所得隠し」と「脱税」に明確な区別ではないですが。
「申告漏れ」と報道されるようなときは、無申告加算税(5~20%)。
「所得隠し」、「脱税」は、重加算税(35~40%)。
本来の納税額にプラスして、加算税を納付することになります。

日本は、ほとんどが、申告納税方式です。自ら所得を計算し、納税します。適正な確定申告をしましょう。

障害者控除 エクセル 名前の管理とデータの入力規則

・障害者控除(国税庁HP
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障害者控除の対象となる人は、
①常に精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態にある人
②児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医の判定により、知的障害者と判定された人
③精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人
④身体障害者福祉法の規定により交付を受けた身体障害者手帳に、身体上の障害がある人として記載されている人
⑤精神又は身体に障害のある年齢が満65歳以上の人で、その障害の程度が①、②又は④に掲げる人に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人
⑥戦傷病者特別援護法の規定により戦傷病者手帳の交付を受けている人
⑦原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の規定により厚生労働大臣の認定を受けている人
⑧その年の12月31日の現況で引き続き6ヶ月以上にわたって身体の障害により寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする人

障害者控除は、障害者「手帳」などの交付を受けている人を扶養している場合に適用を受けられると考えている方が多いと思います。対象となる人のうち、⑤を見逃している可能性が高いです。

確定申告の際に、大量の医療費の領収書を持ってきて確定申告の相談にいらっしゃる方でお話を伺っていると、「手帳」は持っていないけど、⑤に該当する人を扶養しているのではないかという事例がみられます。実際に市役所に問い合わせをしてもらうと、「障害者控除対象者認定書」の交付を受けることができ、障害者控除の適用を受けることができました。

安曇野市
http://www.city.azumino.nagano.jp/soshiki/23/974.html
http://www.city.azumino.nagano.jp/uploaded/attachment/2392.pdf
どの市町村でも、大概は、同じだと思います。もしかして、と思う方は、ダメもとでも問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。

参考Excel
参考、自己責任。

名前の管理とデータの入力規則

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ドロップダウンリストで入力をするときには、名前の管理を使って、名前の定義付けをしておくと便利です。
あとは、ドロップダウンリストで入力させたいセルを選択し、データの入力規則から、リストを選択。
元の値の欄に、先ほど定義した名前を入れるとリストに表示され、選べるようになります。
今回のケースでは、同じブック内なので、INDIRECT関数は必要ないのですが、他のエクセルを参照したいときには、INDIRECT関数を使用しないと、エラーメッセージが出てしまいます。

前回は、扶養控除の中で同居について質問形式で入力させました。障害者控除でも同居について、確認が必要になります。
すると、同居の質問形式だと、2度手間になってしまうので、新たに同居の区分とかを付ける方が効率的になります。参考Excelでは、修正してませんが。
このように、扶養控除、障害者控除・・・と、控除項目を増やしていくと、年末調整ソフトのように、色々リストから選ぶようなものが、エクセルでも同じようなリストが…という感じになってきます。

扶養控除

・扶養控除(国税庁HP
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①控除対象扶養親族とは、扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が16歳以上。
②特定扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満。
③老人扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が70歳以上。
④同居老親等とは、老人扶養親族のうち、納税者又はその配偶者の直系の尊属(父母・祖父母など)で、納税者又はその配偶者と常に同居している人。

・配偶者控除(国税庁HP
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※老人控除対象配偶者とは、控除対象配偶者のうち、その年12月31日現在の年齢が70歳以上。

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年末調整の際に、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書に記載された事項に応じて、所得控除額を計算していきます。
この2つの控除の共通事項としては、「その年12月31日」の「年齢」によって、所得控除の金額が異なるという点です。

基準日時点の年齢を知りたいときに役に立つ関数が、DATEDIF関数です。
DATEIF(開始日(生年月日)、終了日(基準日12/31)、単位(年数Y))

頻繁には必要ないのですが、意外と年齢を確認する機会はあると思います。数え間違いや検証用に知っておくと便利です。
そのほかにも、日数計算、月数計算にも使えます。

「年数」がわかれば、配偶者控除は、IF関数などを使って控除額を判定することが出来ます。
IF(年齢>=70,48万円,38万円)

扶養控除は、
①16以上18以下
②19以上22以下
③23以上69以下
④70以上
⑤70以上同居
⑥対象外(住民税に関する事項へ記載)
に分けることが必要になりますので、IF関数などエクセル関数を用いて判定するのは、難しいので、VBAマクロSelect Case構文などが役に立ちます。

今回は、70以上同居の判定をメッセージボックスを使って、質問形式にして判定するようにしてみました。
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70以上を対象に、メッセージボックスの回答「はい」、「いいえ」によって、結果が変わるようにIF構文を使って分岐させています。

そして、例のごとく、住民税の計算で用いられる所得控除は、所得税の所得控除額と異なります。

参考Excel
あくまで、参考です。自己責任で。

生命(一般用・介護医療用)・個人年金・旧長期損害・地震保険料控除

・生命(一般用・介護医療用)・個人年金
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(1) 新契約(平成24年1月1日以後に締結した保険契約等)の控除額(新生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料)
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(2) 旧契約(平成23年12月31日以前に締結した保険契約等)の控除額(旧生命保険料、旧個人年金保険料)
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各控除額の合計額が生命保険料控除額となります。この合計額が12万円を超える場合には、生命保険料控除額は12万円となります。

新契約の算式をマクロで記述すると・・・
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金額に応じて計算式が変わるので、Select Case構文を使って、当てはまる金額に応じて計算方法が変わるようにしています。こうしておけば、保険料額を入力すれば、あとは自動計算してくれます。年末調整のシステム使えば勝手に計算してくれますが、検証用にあるとたまぁに役立つかもしれません。

・旧長期損害・地震保険料
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この生命保険料控除と地震保険料控除の控除額は、所得税と住民税によって控除額が異なります。
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所得税の上限は12万円ですが、住民税だと上限は7万円といった具合に控除額が変わります。そんなことを知っていても、給与以外の所得が20万円以下である場合など、住民税の申告書を提出する可能性があるときには、もしかしたら役に立つかもぐらいの話です。

※参考
エクセル添付してみた。
算式とか間違っているなどあったとしても、責任は負いません。w

年末調整とマイナンバー

9月~10月にかけて、保険会社から、「生命保険料控除証明書」が発送され、お手元に届いている時期ではないでしょうか。

少し早いですが、会社によっては、そろそろ年末調整に関する書類を従業員に配布する準備をし、配布を始めているところもあったりなかったり。「生命保険料控除証明書」など添付書類をなくした、とか言われる前に、早く回収したいところです。
今年は、このタイミングで初めて、マイナンバーを回収する企業もあるのではないでしょうか。
例年通りの集め方をして、従業員の大切なマイナンバーが漏れないように注意しましょう。
内閣官房 マイナンバー導入チェックリスト
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/download/checklist.pdf
さっと、軽いおさらい。最低限、チェックリストに記載していることを熟しましょう。

マイナンバー以外に必要な主な書類は、
・扶養控除等(異動)申告書
・保険料控除申告書
・生命(一般用・介護医療用)・個人年金・旧長期損害・地震保険料控除証明書
・小規模共済・心身障害者扶養共済制度掛金払込証明書
・社会保険料(給与から控除される以外のもの…国民年金・健康保険など)
・住宅取得等特別控除申告書(2年目以降)

年末調整は、もう少し先ですし、説明会などもこれから開催されてくるかと思いますが、マイナンバーの件もありますので、準備はしっかりとしておきましょう。

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)

中小機構:中小企業倒産防止共済
http://www.smrj.go.jp/tkyosai/index.html

小規模企業共済と同様に節税対策として用いられるのが、中小企業倒産防止共済、倒産防です。
「中小企業」という名称がついているため、個人事業主は加入できないと思っていらっしゃる方もいますが、要件を満たせば個人事業者でも加入することが出来ます。

最大240万円、所得金額を節税出来るのが特徴ですが、本来の目的は、取引先が倒産し、売掛金等の回収が困難になった場合に貸付が受けられる共済制度です。
掛け金は、40ヶ月経過後に解約するのであれば、掛けた金額が100%戻ってきます。
小規模企業共済と違って、返戻金は、退職所得扱いという事になりませんので、解約時に利益として計上され、課税されることにはなります。
極端な話、利益が出ているときに40ヶ月以上積み立てて、所得が見込まれない年に解約することで、所得をうまく調整することが可能です。

また、臨時に事業資金が必要となった場合で、取引先の倒産等に該当しなくても、掛け金(解約手当金)の範囲内で、貸付を受けることが出来ます。
いざという時の積み立てを考えているのであれば、この制度で積立をしておくのも一つの選択肢になります。

このような節税制度も含め、事業年度が終わってからでは、節税対策、決算対策の施しようがありません。
今年もあとわずかです。個人事業主、暦年事業年度の法人については、仮決算、月次決算を組んで所得の試算をしてみてはいかがでしょうか。

小規模企業共済

中小機構:小規模企業共済
http://www.smrj.go.jp/skyosai/index.html

10月中旬になり、平成28年もあとわずかとなりました。
個人事業主は、そろそろ今年の所得の着地点が見えてくる頃だと思います。
個人事業主の節税対策というのは、それほど多くありませんが、その一つに小規模企業共済があります。

小規模企業共済は、個人事業主や会社の役員など(経営者)の退職金を備えるために生まれた制度です。
掛け金が、全額所得控除になり、また、退職金を一括で受け取った時には、退職所得扱いになります。

中小機構の小規模企業共済のホームページに加入シミュレーションがあります。
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節税効果を主としてアピールしています。
しかし、もう一つの特徴として、払い込んだ掛金の範囲内で事業資金等の貸付けを受けられます。
資金の流動性があるという事は、非常に大事なことです。
いざという時に使えないお金は無意味です。

既に多くの方が、加入されている制度だと思いますが、加入していない方はこういう制度があるという事を知っておく事が大切です。