ビットコインの所得課税がヤバい【BTC(仮想通貨)】

まず、結論から。

税務署に行って、事前照会をしてください。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/sodan/jizenshokai/bunsho/gaiyo01/01.htm

少し、研修の中で、仮想通貨に関する税務署の内情を伺いました。
国税庁は、まだ、検討中とのこと。取扱いが決まっていないので、事前照会をしていただいて「個別」に回答するんで、っていう感じでした。
「個別」という事は、同じような内容でも、バラバラな結果になる可能性があります。
(課税の公平性の観点からそのようなことにならないように、回答すると思いますが。)
なので、いま、出ている見解が正しいと誤解しない様に留意してください。
あくまで、その人が提出した資料を基に検討した結果、このような回答だったということに過ぎません。

ここから、私の見解です。

基本、こういう決まっていないことを回答するとき、税理士は保守的に回答します。

何も取扱いが決まっていないのであれば、基本条文たる所得税法36条を基に検討します。
(収入金額)
第三十六条  その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもつて収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする。
2  前項の金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額は、当該物若しくは権利を取得し、又は当該利益を享受する時における価額とする。

「別段の定めがあるものを除き」、所得税法の条文に取扱いが定めらていないものは、「その年において収入すべき金額」となります。
仮想通貨の取扱いは、決まっていないので、「その年において収入すべき金額」で儲けの計算します。

ここで注目すべきは、括弧書きです。
「日本円」じゃなくて「モノ」であっとしても、収入すべき金額に含まれます。
なので、飲食店が、料理を提供した代わりにビットコインで貰っても、日本円に換算した金額を売上計上することになります。
36条2項に「モノ」であっても、その時における価額=時価で収入すべき金額に含まれ、計算することになります。

帳簿をつけるイメージとしては、
現金  4,000円 / 売上 4,000円

BTC 4,000円 / 現金 4,000円

料理を提供した時点で、売上(収入すべき金額)として4,000円が発生します。そこから、料理にかかった経費を引いた金額が儲けです。

そのあと、BTCを売却したら、売却をした時点で、また、収入すべき金額を計算します。

現金   5,000円 / 売却収入 5,000円

料理を提供して得たBTCの取得価額は、4,000円になります。

譲渡原価 4,000円 / BTC   4,000円

儲けは、売却収入から譲渡原価を引いた1,000円になります。

ここで、理解していただきたいのは、「モノ」で受取っても「収入」だよ。ということです。

本題。

仮想通貨の儲けに関して、問題は、「いつ」の時点で、儲けと認識するかという事だと思います。
共通の認識として、含み益は、まだ、実現していないから儲け(利益)とはならないよね。
所得税においては、課税にはなりません。さすがにこれを課税する取扱いが出たらビビります。

で、この「いつ」という点において、「日本円」になった時点で、儲けの計算をするというのが、今、一番多く、Twitterやブログに掲載されています。
つまり、ビットコイン⇔アルトコインで売買をしている限り、税金がかからないという見解です。

私は、違うよ。と、言いたい訳です。

ビットコイン⇔アルトコインとの売買した時点において、儲けの計算をしますよ、ということです。
取扱いが決まっていないなら、基本条文たる所得税法36条に従うという事です。
「モノ」と「モノ」、「仮想通貨」と「仮想通貨」の取引であっても、収入すべき金額は、その取引が行われた時点の価額(時価)です。

ビットコイン⇔アルトコインやビットコイン→飲食は、物々交換だから税金は、発生しないということなのでしょうか?
節税のために、みんな物々交換でやりとりすればOKですね^^
だとすれば、固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例(所得税法58条)の条文が存在すること自体おかしいです。

物々交換をしたといっても、あくまで自分が相手に持っているモノを売ったということになります。そして、代金としてのお金の代わりに相手のモノを買っているという事です。

ビットコインで飲食、これなら値上がり益は、無視できるとかいう話でないのです。
0.1BTCを100円で購入してました。値上がりして0.1BTCが10,000円になったので、寿司を食べて、0.1BTC支払いをしました。

寿司を食べて、0.1BTCを支払った時点において、0.1BTCを売った=10,000円の売却価額(収入すべき金額)となり、その10,000円で寿司の代金を支払ったという事になるので、0.1BTCを購入した100円と寿司の代金10,000円との差額が、儲けです。

ビットコイン⇔アルトコインも同様です。
1BTC売却して10,000XEMを購入した時点において、1BTCを売却したことになり、1BTCを購入した金額との差額が儲けになります。

もちろん、カードにチャージも同様です。

というのが、所得税法36条に基づいた儲けの計算という事になります。

他の方のおっしゃることもわかります。じゃぁ、実務において、こんな計算、本当に出来るの?やれるの?ってことです。
実際にやって見るとわかりますが、煩雑すぎて、ビットコインを使いたくなくなりますw
実務において、飲食に使ったBTCの所得計算をやらせる行為は、困難であり、簡便的な取扱いが考慮されるべきところでもあると実感します。

なので、個別の照会で出てきた税務署の回答も理解できます。やれって言われても難しいんですから。

現状において、振れ幅があります。
私の見解で示した儲けの計算は、原則論であり、この計算方法で、これ以上の税金はとられることはないだろうという基本条文に則った保守的な話です。
なぜならば、ちゃうやないかー!っと損害賠償請求でもされたら・・・が、本音です。

実際のところ、できる、できないというのが仮想通貨の取り扱いでは重要視されるべき問題であり、正直、仮想通貨に関しては、購入時に税金を課税しておわってくれとお願いしたいところです。

ポイントカードなど、あれも厳密言えば、儲けです。でも、実際にそんなポイントを集計することは難しく、確定申告する人は、まずいないでしょう。
なので、重要性の原則を鑑みて、実務の煩雑さを避ける取扱いが出てきたとしても決しておかしくはなく、税務署の回答もそのような趣旨で行われていることは十分に考えられます。
しかし、特にビットコイン⇔アルトコインの売買に関しては、「課税の公平」を著しく欠いていると思っており、ひっくり返されることは頭に入れておくべきです。少なくとも取引所で流動性が高い仮想通貨同士であれば、取引所で売買している点からしても・・・と思います。その辺は、ホワイトペーパー(結局どうなった?)に載ってくるような仮想通貨に注目ですけど、それはそれで、区別するのも難しいかな。

更に言えば、できる、できないに加えて、ばれる、ばれないという話もあります。
まず、個人で、飲食など生活費で使ってしまう分ついては、ばれない可能性の方が高いです。
その点からすると・・・。
日本は、申告納税制度を採用しています。
納税者、自らが所得を計算し、税金を計算し、適切な確定申告を行います。
税金がえげつないほど高いのは、わかります。どこに「課税の公平」が存在するんだって感じです。
さっさと取扱いをださないことにも、問題がありますし、こんなところで明確な回答をだせない歯がゆさもあります。
本来、払うべき税額以上に支払われる事態になることは避けるべきです。
節税と脱税は違います。納税者、自らが適切な申告を行うこと。

ということで、税務署に事前照会しましょう(逃げw

あと、pepeアーティストのみなさま。pepecashでも、儲けですからね!