ビットコインの投げ銭が。所得税か贈与税か
TAKARAアプリをきっかけにカウンターパーティトークンが面白いなぁと思う今日この頃です。
ブログを始めた当初から、何気なくBTCアドレスを表示させていましたが、当然、BTCは送られてこないだろうと思っていました。
それが、約3ヶ月目にして、投げ銭をしてくれた方が現れた模様。嬉しいことです。
BLOCKCHAIN.info
BLOCKCHAIN.infoというサイトで、BTCの受取アドレス「19L3HriFLoFZCbVSvhhSsWpYBszn5jJNnj」を検索すると、このアドレスの取引の履歴を誰でも見ることが出来ます。9/19に20円(0.00032314BTC)が別のBTCアドレスから送金されてきたことがわかります。
BTCアドレスと個人が特定できていると、その個人の取引を誰もが入金から出金の取引を見ることが出来てしまいます。BTCは、取引の透明性が高いと言えます。残高までわかってしまいます。もちろん、BTCアドレスは、1つだけじゃなくて、その都度アドレスを新たに生成して変えることができます。なので、一般的には、アドレスを変えたりするのでしょうが、このまま、このアドレスを使い続けた場合、私が投げ銭をいくらゲットしたかわかります。今後も、このアドレスに入金がある可能性は低いですので、同じアドレスを使い続けますが、普通に考えたら嫌ですね。見られたくないが進むと、違法取引に便利な暗号通貨も誕生してしまうのでしょうか。
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さて、初の投げ銭の喜びに浸りつつ、私の手元に20円という財産(価値)が移転してきました。この事実だけを純粋に見れば、私は20円儲けたことになります。儲け(所得)を得たという事は、所得税が課税されるのか、若しくは、贈与(寄附)に該当するので、贈与税が課されるのでしょうか。
それと、ビットコインなどの暗号通貨の情報を収集していると、TAKARAアプリでトークンの回収時にお世話になったIndieSquareの寄附ボタンが気になります。こちらも、寄附をもらう方の扱いは、課税されるのでしょうか。
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寄附ボタンを使って、寄附(贈与)をすると、寄附のお礼にカウンターパーティートークンをもらいました。中には、トークンを保有していると、特典もあるようです。私も寄附ボタンを作って見たいなぁと…でも、思いとどまり。
原則、財産の無償取得であっても、所得税法上は、所得として認識します。
相続税法(贈与税は相続税法に規定されています。)でも、相続、贈与により取得した場合には、財産を受け取った人に課税されてしまいます。この二重課税を排除するために、所得税法では、相続、贈与に該当する所得については非課税となります。
投げ銭、寄附が、「贈与」に該当すれば、贈与税が、「贈与」に該当しなければ所得税が課税されることになります。
民法549条では、「贈与」は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。と規定しています。
投げ銭や寄附が「無償」で行われているかどうかが、1つポイントになります。
贈与をしたことに対して、受け手側(受贈者)から送り手側(贈与者)に返礼として何らかの贈与が行われることも多いです。今回でも、寄附をしてくれた方に対して、お礼に○○をお返ししますというものがあります。この場合、贈ったBTCとお礼との交換が成立しており、「無償」の行為ではないという考え方もありますが、それを言ってしまえば、ふるさと納税って全然寄附じゃないよねということになります。(個人的には、ふるさと納税で返礼があるほとんどは、寄附じゃないと思っています。)なんらかのお礼を期待していても、それが単に期待だけであれば、その贈った行為自体が無償である限りは、すべて「贈与」として扱って問題ないと考えます。
つまり、投げ銭も寄附も「贈与」になります。なので、贈与税課税です…となればいいのですが。
所得税法及び相続税法には、贈与を定義している規定は存在しません。贈与税の課税対象とされる「贈与」は、一般に民法上の贈与と同様ですが、過去の判例において、「贈与」でも、所得税が課税されることもあります。
開業に際して受領した祝い金は、事業に付随して生じた収入として、所得税(事業所得)が課税されています。
この解釈は、所得税法9条から納得がいかないのですが、旧所得税法6条1項7号に規定されていた非課税所得は、「一時所得」のうち、相続、遺贈又は贈与により取得するものとなっています。所得税は、給与所得、事業所得、一時所得など11種類の所得に区分して計算します。事業所得に関係する贈与は、相続税法上の贈与にならず、贈与税が課税されないので所得税が課税されることになります。
結果、個人(個人事業主を除く)については、投げ銭も寄附も贈与税が課税されると考えられます。贈与税の計算は、基礎控除が110万円までありますので、相当の投げ銭、寄附が集まらない限り税金はかからないでしょう。但し、贈与税は、あくまで個人から個人への贈与に対して課税されます。可能性は低いとは思いますが、法人から個人に投げ銭、寄附があった場合には、贈与税ではなく所得税が課税されます。この場合の所得区分は、一時所得に該当します。一時所得は50万円の特別控除がありますので、こちらも税金がかからないことになります。若干の懸念は、投げ銭や寄附をしてくれる相手が個人なのか法人なのかわからないことです。問題になることはなさそうですが。
個人事業主については、事業付随行為として事業所得として扱われる可能性がありますので、実態で判断する必要があります。
所得税法9条抜粋
(非課税所得)
第九条 次に掲げる所得については、所得税を課さない。
十六 相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するもの(相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)の規定により相続、遺贈又は個人からの贈与により取得したものとみなされるものを含む。)
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