ビットコイン(暗号通貨)課税時期その④

・ケース④交換所のBTCをスマホのウォレットへ送金。ウォレットから飲食代・商品代を支払いをした場合
①ウォレットへの送金
②ウォレットからの支払い
③保有

①ウォレットへの送金の段階では、自分の財布から自分の財布にBTCを動かしただけですので、所得税は課税されません。含み益が出ていても、まだ、儲け(所得)が確定したことにはなりません。送金に伴って手数料が十数円発生する可能性があります。その分を経費に含めるかということになりますが、目的がプライベートな飲食代ということであれば、経費には含まれません。目的によっては、経費として収入からマイナスすることが出来ます。かなり細かい話ですが。

②ウォレットからの支払い(提供を受けた)の段階では、支払いをした金額(日本円換算額)がBTCを購入した時の価額を上回っている場合、儲け(所得)が出ます。この儲けに対して所得税がかかることになります。一方で、飲食代については、目的がプライベートな飲食代ということであれば、経費には含まれません。BTC売買をしている人が、BTCを安全に管理するためにTREZORのハードウェア・ウォレットなどBTC売買のために必要なモノなどを購入したようなケースでは、「所得区分」によっては、BTC支払いをした金額(日本円換算額)を経費とすることが出来ます。個別の事案等に応じてということになってきます。

③は、今までと同じ

・ケース⑤飲食代・商品代をBTCで受け取った場合
①BTCの受け取り
②BTCの売却
③保有

①飲食代・商品代をBTCで受け取った(提供した)段階では、飲食代・商品代の日本円換算額が売上として収入金額に計上されることになりますので、所得税が課税されます。今までと同じで、収入金額≠日本円であり、価値のあるモノを手に入れた時点で儲けを計上することになります。

②飲食代・商品代として受け取ったBTCを売却した段階では、売却した価額が①の売上として収入金額とした価額を上回っていれば、儲けとして所得税が課税され、売却した価額の方が小さければ、①の儲けからマイナスをして所得税が課税されます。

③は、今までと同じ

4回にわたってケース別に、いつ儲けとして確定申告をしなければいけないのか、みてきました。儲からなければこんな心配をする必要はないのですが、下期はどんな動きを見せてくれるのか。
実務において、一般の方がこのような処理を出来るかどうか大いに疑問を持ちます。現状は、暗号通貨に詳しい方達が大半ですので、楽観視してます。早々に税制を整えていただきたいところです。しかし、平成28年分については、これを踏まえたうえで合理的で簡便な処理を検討し、税務署とお話合いをすることになりそうです。正直、確定申告をしてくれと依頼されても丁重にお断りをしたいくらいです。もしかしたら、税務署に推計課税してもらった方が…という邪な心が。。。いけませんね。まだ、「所得区分」と「計算方法」についてもありますし。

税理士法第1条に、「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」とあります。学び、成長していきたいです。