ビットコイン(暗号通貨)課税時期その①
所得金額の計算を簡単に表すと
収入-経費=所得
です。所得税は儲け(所得)に対して課税をします。
その年の1月~12月(暦年)の所得を翌年の3月15日までに確定申告をし、所得税を納付します。
では、収入として計上すべき時期(課税時期)は、いつになるのでしょうか。
・BTCを購入した時?
・BTCを売却した時?
・BTCが値上がりして、含み益が発生した時?
・マイニング(クラウドマイニング)をして報酬を得た時?
・BTCで支払いをした時?
・売上をBTCで受け取った時?
など
例えば、サラリーマンの給与の場合。
平成28年12月1日~12月31日まで働いた給与を平成29年1月10日に支給された場合。
28年分の収入(所得)になるか、29年分の収入になるか。
支給日、支給を受けた日が収入を計上する時期、すなわち課税時期に該当することになります。
この場合は、平成29年の収入として所得税の確定申告をすることになります。
・ケース①BTCの交換所で日本円で購入、売却した場合
①購入
②売却
③保有
①購入の段階では、儲けは出ていないので、所得税はかかりませんが、消費税等が課税されている状態です。今後は、貨幣としての扱いになってきますので、消費税は恐らく課税されないこととなりますが、現状、ビットコインは価値記録として、消費税等は課税されます。とりあえず、消費税等の話は置いておきます。
②売却の段階では、売却した価額(15,000円)が購入した価額(10,000円)を上回っている場合、儲け(5,000円)が出ます。この儲けに対して所得税がかかることになります。但し、上場株式などのように所得税を徴収してくれる訳でもないし、交換所がいくら儲けたかどうかも教えてくれません。自分で計算しなければいけません。そして、儲けが出たからといってすぐに納税しなければいけない訳ではありません。この売買を何回も繰り返した結果、1年間で儲けが出たら確定申告をして納付することになります。1年間、売買を繰り返した結果、合計したら儲けどころか損をしているときは、確定申告をする必要はありません。上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除なんてのも当然ありません。
次に③保有です。①購入(10,000円)したけど、12月31日現在も②売却をせずに持っている段階では、収入金額にはなりません。12月31日時点で、10,000円分購入したBTCが17,000円になっていたとします。まだ、売却をしていないが、日本円を基準にして増えた7,000円を含み益といいます。この後、BTC価額が下落するか上昇するかわかりません。まだ、手元に入ってくる日本円、儲けがいくらなのか決まっていないので、含み益に所得税は課税されません。
ケース①の場合は、②売却という行為をすると儲けが発生して所得税を納める可能性が出てくることになります。
次回に続く。
所得税法36条
(収入金額)
第三六条 その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもつて収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする。
2 前項の金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額は、当該物若しくは権利を取得し、又は当該利益を享受する時における価額とする。
3 無記名の公社債の利子、無記名株式等の剰余金の配当(第二十四条第一項(配当所得)に規定する剰余金の配当をいう。)又は無記名の貸付信託、投資信託若しくは特定受益証券発行信託の受益証券に係る収益の分配については、その年分の利子所得の金額又は配当所得の金額の計算上収入金額とすべき金額は、第一項の規定にかかわらず、その年において支払を受けた金額とする。
所得税法36条関係通達
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shotoku/05/01.htm