Yahooニュース:倒産防止共済めぐり申告漏れ 個人事業主の解約金計上せず 検査院
https://news.yahoo.co.jp/articles/0e291584a0cec6a1739054733ea60f65909c4df9
倒産防止共済は、取引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。しかし、本来の保証としての役割ではなく、節税目的で利用されることが多い共済制度です。
掛金が全額、経費(損金)になります。個人(所得税)でも法人(法人税)でも利用可能です。なので、決算対策で、月額最大20万円、年間240万円(1年分前払い損金が可能)ということで、小規模事業者にとっては有効に使えます。
経費(損金)に計上するためには、法人であれば、『特定の基金に対する負担金等の損金算入に関する明細書』と、損金に算入する額(法人税関係特別措置の適用を受ける額)を記載する『適用額明細書』に必要事項を記入し、確定申告書に添付することになっています。
個人については、様式は任意となっていますが、『中小企業倒産防止共済掛金の必要経費算入に関する明細書』を作成し、確定申告書に添付することになっています。
個人、法人問わず、確定申告書の添付漏れは多い事項です。
しかし、掛金を支払った年の経費(損金)になってそれでおしまいではありません。解約をした場合、掛金が加入年数に応じて戻ってきます。40か月加入していれば、通常、掛金がすべて戻ってきます。なので、解約をしたときに収入(所得)計上されます。
解約した年の所得が多くなる可能性があり、解約した年に経費(損金)が少ないと、結局、納税額が増えることになります。出口戦略を考えなければなりません。
このニュースでは、掛金は、経費にするけど、戻ってきたときには、収入にしないという、なんともバランスのおかしな事をしています。
特に個人は、事業主勘定で処理をしてしまいがちです。こういうことがあると、節税目的で使われることがない様に、経費(損金)にしないという方向になってしまう可能性があり、適切な対応をしている人が被害を被ることになってしまいます。適切な納税を心掛けたいですね。